大貫妙子大貫妙子『Anthlogy 1973-2003』【時が経たなければわからないこともあります。 時が経つことで変化するものもあります。 時とともに消滅してしまうものもあります。 時とともに旅立ってしまうものもあります。 時とともに根っこを生やしていくものもあります。 でも 時が経つということは 過去のあらゆる出会いから育った芽が枝となり 成長していくことだと思います。】 大貫妙子 大貫妙子さんの詩(うた)を聴きました。【シュガー・ベイブ】のころから、あなたの詩が好きでした。30年という旅の途中で、ふとあなたが居ることに気がつきました。 今日は寒いですね。昨日は雪がちらつきました。家を出て「街」を歩いていると路面が凍結していました。 「黒のクレール」 《誰も知らない島で、子供のように 暮らすのが夢だった。一人渚を行けば、あなたの声が、耳元に聞こえる》 「夏に恋する女たち」 《ふたりは夜を駆け抜けてく、まるで子供のように、短い愛の戯れは、鮮やかすぎて哀しい》 「彼と彼女のソネット」 《おおきなあなたの胸ひとりはなれた、木の葉のような心ささえたまま、かわいた風は私を運ぶ、君はそう…いつのまにか知ってる、僕をこえて歩いて行けることを、懐かしい白い指に触れても、ほどけてゆく遙かな愛の思い。もう一度いそぎすぎた私を、孤独へ帰さないで、いつまでもあなたのことを聞かせて、愛をあきらめないで》 言葉はいらない。変わらない時の風を感じて。今も昔も変わらないあなたがここにいてくれたから、今は旅の途中かもしれないけれど、あなたがいてくれたから私は独りぼっちにならなくてすんだ。 大貫妙子さん、美しい詩をありがとう。 |